私は長年、自分の顎の不調を「ただの疲れ」だと自分に言い聞かせてきました。仕事の繁忙期になると、決まって右側の顎の付け根あたりが重苦しくなり、時にはリンゴをかじるのも一苦労という状態が続いていたのです。しかし、先月の不調はこれまでのものとは決定的に違っていました。ある朝、目覚めて欠伸をしようとした瞬間、右の顎にガクッという衝撃とともに、経験したことのない鋭い痛みが突き抜けたのです。鏡を見ると、口は指二本分ほどしか開かず、無理に動かそうとすると冷や汗が出るほどの激痛が走りました。私は最初、何科に行けばいいのか分からず立ち往生してしまいました。耳の近くが痛いので耳鼻科か、あるいは筋肉の痛みのような気もするので整形外科か。スマートフォンを握りしめ、必死に「片方の顎が痛い、何科」と検索した結果、多くの情報が「歯科口腔外科」を指し示していました。私は藁にもすがる思いで、市内の総合病院にある歯科口腔外科を予約しました。病院へ行くまでの間、もし骨が折れていたり、手術が必要だったりしたらどうしようという不安が頭をよぎり、食事も喉を通りませんでした。診察室に入ると、医師は私の顎を左右から優しく触り、口がどこまで開くかをミリ単位で測定しました。続いて行われたパノラマレントゲンの撮影後、医師はモニターに映った私の顎の関節を指差しながら、非常に落ち着いた声でこう言いました。これは典型的な『顎関節症』の、関節円板のズレによる症状です、と。先生の説明によれば、私の顎を支えているクッションが、長年の食いしばりやストレスによって前方へ脱落してしまい、それが物理的に顎の動きをブロックしているのだということでした。原因が判明しただけで、正体不明の恐怖がスーッと消えていくのを感じました。治療は、その場で行われた「徒手整復」という、先生が指を使って顎を少しずつ調整する処置から始まりました。それだけで、あんなに固まっていた口が少しずつ開くようになり、驚きと感動で声が出ませんでした。その後、私の型に合わせた専用のマウスピースを作成し、夜間に装着することを義務付けられました。また、医師からは「TCH」という、起きている間に無意識に上下の歯を接触させてしまう癖についても指摘され、生活習慣の改善アドバイスを受けました。通院を始めて一ヶ月が経つ頃には、あんなに苦しめられていた右顎の痛みは嘘のように静まり、再び大好きなステーキを美味しく味わえるまでに回復しました。今回の体験を通して痛感したのは、専門的な診療科へ一刻も早く辿り着くことの重要性です。もし私が「そのうち治るだろう」と我慢を続けていたら、関節の変形が進んで取り返しのつかないことになっていたかもしれません。歯科口腔外科の先生は、口と顎のプロフェッショナルとして、私の物理的な痛みだけでなく、精神的な不安も同時に取り除いてくれました。もし今、片方の顎の痛みに耐えながら受診を迷っている方がいたら、どうか迷わず歯科口腔外科を予約してください。正しい診断と治療を受ければ、必ず以前のような健やかな毎日が戻ってきます。
口を開けるのも辛い顎の痛みを歯科口腔外科で治した体験記