みなさん、こんにちは。今日は私が夫と一緒に「いびき外来」という、少し珍しい専門外来に通い始めたお話をしたいと思います。結婚して十数年、私は夫の「轟音のようないびき」とずっと戦ってきました。耳栓をして寝るのは当たり前、時には別の部屋で寝ることもありましたが、壁を抜けて聞こえてくるその音に、私の安眠は常に奪われていました。でも、本当に怖かったのは音の大きさだけではありません。いびきが最高潮に達した後に訪れる、あの不気味な「静寂」。夫の呼吸がぴたりと止まり、数十秒後に「ガハッ!」と大きな音を立てて息を吹き返す様子を横で見ているのは、生きた心地がしませんでした。「これ以上放っておいたら、この人は寝ている間に死んでしまうかもしれない」。そんな恐怖から、私は無理やり夫の手を引いていびき外来を予約したのです。クリニックの待合室では、夫はどこか気恥ずかしそうにしていましたが、診察室での医師の言葉に、私たちは目から鱗が落ちる思いでした。「奥様、いびきは夫から奥様への、愛の叫びではなく助けての叫びなんですよ」。医師は、いびきが単なる騒音ではなく、夫の身体が命がけで酸素を取り込もうともがいている姿なのだと教えてくれました。検査の結果、夫は重度の睡眠時無呼吸症候群であることが分かり、CPAP(シーパップ)という治療を始めることになりました。最初の夜、枕元で静かに「シュー」と空気が流れる音を出す機械の隣で、私は不安でした。でも、驚くべきことが起きました。あの地鳴りのような音が、一晩中、一回も鳴らなかったのです。夫の胸は穏やかに上下し、何年かぶりに私たちは同じ部屋で、静かな夜を過ごすことができました。翌朝、夫が第一声で「体が全然だるくない、空気が美味しい気がする」と笑ったとき、私は不覚にも涙が出てしまいました。いびき外来は、夫の命を救ってくれただけでなく、私たちの「夫婦の絆」を再構築してくれた場所でもあります。安眠が保証されたことで、私のイライラも消え、家の中の空気が驚くほど穏やかになりました。いびき外来への通院は、最初は勇気がいりました。でも、そこは不平不満をぶつける場所ではなく、二人で一緒に「健やかな未来」を作るための作戦会議の場でした。もし、隣の部屋の音に悩んでいたり、大切な人の呼吸に不安を感じている方がいたら、ぜひ一緒に外来を訪れてみてください。そこには、想像もできなかったような、静かで幸せな朝が待っていますよ。