突然、喉の奥に赤いブツブツを見つけたら、誰もが戸惑いと不安を感じるでしょう。痛みがない場合でも、異物感や違和感があることで、日常生活に少なからず影響を及ぼすことがあります。この喉の赤いブツブツは、表面上は同じように見えても、その背景には多種多様な原因が潜んでおり、それぞれに適切な対応が求められます。今回は、長年の臨床経験を持つ専門医の視点から、喉の赤いブツブツの原因と、それに対する正しい対応について解説します。「患者さんが喉の赤いブツブツを訴えて来院されるケースは非常に多いです」と、耳鼻咽喉科医の田中医師は語ります。「多くの場合、ウイルス感染によるものがほとんどですが、中には細菌感染やアレルギー、あるいは稀な病気が隠れていることもあります。」最も多い原因は、やはりウイルス感染による咽頭炎です。特に、夏風邪の代表格であるヘルパンギーナや手足口病は、喉の奥に特徴的な小さな水疱や潰瘍を伴う赤い発疹を引き起こします。これらは通常、発熱や倦怠感を伴い、水疱が破れると強い痛みを引き起こすことがあります。田中医師は「ウイルス性の場合、特効薬は少なく、対症療法が中心となります。安静にして、水分補給を十分に行い、喉に刺激を与えないよう柔らかい食事を心がけることが大切です」とアドバイスします。次に、注意すべきは細菌感染症である溶連菌感染症です。これは喉の強い痛み、高熱、扁桃腺の腫れに加え、喉の奥に赤い点状のブツブツや、舌がイチゴのように赤くなる「イチゴ舌」が見られることがあります。「溶連菌は放置すると腎臓や心臓に合併症を引き起こすリスクがあるため、迅速な診断と抗生物質による治療が不可欠です。もし、全身に発疹が出たり、喉の痛みが非常に強かったりする場合は、速やかに医療機関を受診してください」と田中医師は強調します。アレルギー反応も、喉に赤いブツブツを引き起こす原因の一つです。特定の食品、薬剤、花粉、ハウスダストなどがアレルゲンとなり、喉の粘膜に炎症や蕁麻疹様の赤い発疹を生じさせることがあります。喉のかゆみや違和感を伴うことが多く、重症化すると呼吸困難を引き起こすアナフィラキシーショックに至る可能性もあるため、注意が必要です。「アレルギーが疑われる場合は、アレルゲンの特定と回避が最も重要です。必要に応じて抗ヒスタミン剤などの処方も検討します」と田中医師は述べます。
喉の赤いブツブツ!専門医が語る原因と適切な対応