健康診断の結果表を受け取った際、肝機能の項目に「要精密検査」や「再検査」の文字を見つけると、多くの人が不安を感じるものです。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、かなりのダメージを受けるまで自覚症状が現れにくいため、検査数値の異常は身体が発している数少ない警告信号となります。では、具体的に何科を受診すれば最も適切で確実な診断が受けられるのでしょうか。結論から申し上げれば、第一の選択肢は「消化器内科」です。また、より高度な専門性を求めるのであれば、消化器内科の中でも「肝臓内科」を標榜しているクリニックや、肝臓専門医が在籍する総合病院を選択することが理想的です。肝機能の指標となるAST、ALT、γーGTPといった数値は、肝細胞が壊れていることや胆汁の流れが滞っていることを示しますが、その背景にある病態は多岐にわたります。ウイルス性肝炎、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝疾患、自己免疫性肝疾患、あるいは薬剤による副作用など、原因を特定するためには専門的な知識に基づく問診と高度な検査設備が欠かせません。消化器内科を受診すると、まずは血液検査をより詳細に行い、ウイルスの有無や抗体、肝臓の線維化の状態を調べます。これに加えて、超音波検査、いわゆるエコー検査を行い、肝臓の形や脂肪の付き具合、腫瘍の有無を視覚的に確認します。一般内科でも初期の対応は可能ですが、肝機能の数値が著しく高い場合や、慢性的な異常が疑われる場合は、最初から消化器のスペシャリストを頼るのが最短の解決策です。受診の際には、健康診断の結果表を必ず持参してください。過去数年分のデータがあれば、数値の推移から急性の変化なのか慢性的なものなのかを医師が判断しやすくなります。また、現在服用している薬やサプリメント、一日の飲酒量、生活習慣についても正確に伝える準備をしておきましょう。肝臓の精密検査は、恐ろしい病気を見つけるためだけのものではありません。現在の生活習慣が身体にどのような影響を与えているかを科学的に把握し、将来の肝硬変や肝がんといった深刻な事態を未然に防ぐための「健康の棚卸し」であると捉えるべきです。適切な診療科を選び、専門医と共に自身の健康状態に向き合うことが、健やかな未来を守るための第一歩となります。
健康診断で肝機能異常を指摘された際に受診すべき診療科