ある日、鏡で喉の奥を覗いてみたら、赤いブツブツが点々と見えた。特に痛みはないけれど、この異常な見た目に不安を感じる人は少なくないでしょう。喉のブツブツは、その原因が多岐にわたるため、一概に「これ」と決めつけることはできません。しかし、一般的に考えられるいくつかの原因と、それに対する自宅でできるケア、そして医療機関を受診すべきタイミングを知っておくことは非常に重要です。まず、最も一般的な原因として挙げられるのは、ウイルス性の咽頭炎です。特に、夏風邪の代表格であるヘルパンギーナや手足口病は、喉の奥に小さな水疱や潰瘍を伴う赤いブツブツを発生させることが知られています。これらのウイルス感染症は、発熱や倦怠感を伴うことが多く、特に乳幼児に多く見られますが、大人でも感染することはあります。水疱が破れると強い痛みを伴い、食事や水分摂取が困難になることもあります。この場合、安静にして十分な水分を摂り、刺激の少ない柔らかい食事を心がけることが回復への近道です。次に考慮すべきは、細菌感染症である溶連菌感染症です。溶連菌感染症では、喉の強い痛み、高熱、扁桃腺の腫れに加え、舌の表面がイチゴのように赤くブツブツになる「イチゴ舌」や、喉の奥に赤い点状のブツブツが現れることがあります。溶連菌感染症は放置すると、腎炎やリウマチ熱といった合併症を引き起こす可能性があるため、早期の診断と抗生物質による治療が不可欠です。もし、これらの症状に加えて全身に赤い発疹が見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。アレルギー反応も、喉に赤いブツブツを引き起こす原因の一つです。特定の食品、薬剤、花粉、ハウスダストなどがアレルゲンとなり、喉の粘膜に炎症や蕁麻疹のような発疹を生じさせることがあります。喉のかゆみや違和感を伴うことが多く、重症化すると呼吸困難を引き起こすアナフィラキシーショックに至る可能性もあるため、注意が必要です。アレルギーが疑われる場合は、アレルゲンの特定と回避が最も重要であり、医師の指導のもと抗ヒスタミン剤などの服用を検討することになります。