お腹の右下が急に痛み出した時、多くの人の頭に浮かぶのが「虫垂炎」かもしれません。一般的に「盲腸」として知られるこの病気は、放置すると重篤な腹膜炎を引き起こす可能性があり、迅速な対応が求められます。しかし、いざ病院へ行こうにも「一体、何科を受診すればいいのか」と迷ってしまう方は少なくないでしょう。結論から申し上げると、虫垂炎が疑われる場合に受診すべき診療科は「外科」あるいは「消化器外科」です。虫垂炎は、大腸の一部である虫垂に炎症が起こる病気であり、その治療は多くの場合、手術が必要となります。そのため、手術を専門とする外科が担当するのが一般的です。特に消化器系の手術を専門とする消化器外科であれば、より専門的な診断と治療が期待できます。もし、夜間や休日など、通常の診療時間外に強い腹痛が起こった場合は、迷わず総合病院の「救急外来」を受診してください。救急外来には、各科の当直医が待機しており、初期対応を行ってくれます。そこで虫垂炎が強く疑われれば、その日のうちに外科の医師による診察や検査、緊急手術へと繋がります。ここで大切なのは、自己判断で痛みを我慢しないことです。「ただの腹痛だろう」「少し休めば治るかもしれない」といった油断が、虫垂の穿孔(せんこう)という危険な状態を招くことがあります。虫垂が破れて、中の細菌が腹部全体に広がってしまうと、命に関わる腹膜炎となり、治療も大掛かりになってしまいます。初期の段階で適切な治療を受ければ、多くは腹腔鏡を用いた体への負担が少ない手術で、短期間の入院で回復することが可能です。おかしいな、と思ったらまず外科へ。それが虫垂炎治療の鉄則であり、自分自身の体を守るための最も重要な行動なのです。