足がパンパンに張って重だるい、靴下の跡がくっきりと残る。多くの人が経験する「足のむくみ」ですが、いざ病院へ行こうと思った時に「一体、何科を受診すればいいのだろう」と迷ってしまうことは少なくありません。足のむくみは、単なる疲れや生活習慣が原因のこともあれば、重大な病気が隠れているサインの場合もあります。そのため、原因を正しく見極めることが非常に重要です。結論から言うと、足のむくみで最初に相談するのに最も適しているのは「循環器内科」あるいは一般的な「内科」です。循環器内科は、心臓や血管の病気を専門とする診療科です。足のむくみの原因として特に注意が必要なのが、心臓のポンプ機能が低下する「心不全」や、足の静脈に血の塊が詰まる「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」です。これらは命に関わる可能性のある病気であり、早期発見・早期治療が不可欠です。循環器内科では、問診や聴診、心電図、心臓超音波(エコー)検査、血液検査などを通じて、心臓や血管に異常がないかを詳しく調べることができます。もし近所に循環器内科がない場合や、どの科か迷う場合は、まずはかかりつけの内科医に相談するのが良いでしょう。内科医は総合的な視点から診察を行い、症状や所見に応じて、腎臓内科、血管外科、皮膚科など、より専門的な診療科へ紹介してくれます。例えば、片足だけが急にむくんで痛みや赤みを伴う場合は血管の病気、顔や手も一緒にむくむ場合は腎臓の病気、皮膚に炎症がある場合は皮膚科、といったように、症状によって疑われる原因は多岐にわたります。自己判断で様子を見続けるのではなく、まずは内科や循環器内科の扉を叩き、専門家の目で原因を探ってもらうこと。それが、つらいむくみを解消し、背後に隠れた病気を見逃さないための賢明な第一歩となるのです。