薬と併用したい水疱瘡の時のセルフケアと過ごし方
水疱瘡にかかった際、医師から処方される薬は治療の根幹をなす非常に重要なものですが、その効果を最大限に引き出し、より快適に回復期を過ごすためには、家庭でのセルフケアも同じくらい大切です。薬だけに頼るのではなく、日々の過ごし方を少し工夫することで、つらい症状を和らげ、回復を早めることができます。まず最も重要なのが、かき壊しを防ぐことです。強いかゆみは水疱瘡の大きな特徴ですが、かいてしまうと細菌感染を起こしたり、跡が残ったりする原因になります。これを防ぐために、お子さんの爪は常に短く、丸く切っておきましょう。夜間、無意識にかいてしまうのを防ぐために、ミトンをつけさせるのも有効です。また、体温が上がるとかゆみが増すため、涼しい環境を保つことが大切です。衣類や寝具は、通気性が良く肌触りの優しい木綿素材のものを選び、汗をかいたらこまめに着替えさせてあげましょう。入浴については、医師の指示に従うのが基本ですが、一般的には高熱がなく元気であれば、シャワーで汗を流すことは推奨されています。ただし、石鹸でゴシゴシこするのは厳禁です。ぬるめのお湯で優しく洗い流し、タオルで押さえるように水分を拭き取ります。発疹が口の中にできてしまった場合は、食事がつらくなることがあります。醤油や柑橘類など、しみるものは避け、おかゆやゼリー、プリン、冷たいスープなど、のどごしの良いものを与えるとよいでしょう。水分補給は脱水を防ぐためにも非常に重要です。処方された薬をきちんと服用することを大前提としながら、こうしたきめ細やかなケアを併せて行うことで、お子さんの苦痛を少しでも和らげ、合併症のリスクを減らすことができます。愛情のこもったケアが、何よりの良薬となるのです。