毎年夏が近づくと、私は少し憂鬱な気持ちになります。それは、うだるような暑さのせいだけではありません。オフィスにいる時間が増えるにつれて、じわじわと体を蝕むあの不調、いわゆる「クーラー病」との戦いが始まるからです。私の職場は、真夏になるとまるで冷蔵庫のように冷房が効いています。外から帰ってきた直後は天国のように感じるのですが、デスクに一時間も座っていると、足元から冷気が忍び寄り、指先はかじかむほど冷たくなります。カーディガンを羽織り、ひざ掛けを使っても、体の芯から冷えていくような感覚は拭えません。最初の異変は、頑固な肩こりと頭痛でした。パソコン作業のせいだろうと思っていましたが、マッサージに行ってもその場しのぎにしかなりません。やがて、全身に重い鉛をまとったような倦怠感が加わり、朝起きるのが本当につらくなりました。食欲もなくなり、大好きだったランチも喉を通らない日が増えました。一番困ったのは、集中力の低下です。頭がぼーっとして、簡単なメールの返信にも時間がかかる始末。仕事の効率は目に見えて落ちていきました。週末に家でゆっくり過ごしていると、これらの症状が少し和らぐことに気づいた時、「これはもしかして夏バテではなく、オフィスのクーラーが原因なのではないか」と疑い始めました。平日は冷房の効いた環境で体を冷やし続け、自律神経が悲鳴を上げている。そして週末に少し回復するものの、また月曜日からリセットされてしまう。この悪循環に陥っているのだと確信しました。それからは、自分なりに対策を始めました。温かいお茶を常に飲むようにし、昼休みには意識的に外に出て太陽の光を浴び、少し汗をかくようにしました。夜はシャワーで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かって体を芯から温める。こうした地道な努力で、少しずつですが体調は上向いていきました。クーラー病は、なった人にしか分からないつらさがあります。我慢するのではなく、自分の体の声に耳を傾け、積極的に対策を講じることが何よりも大切だと、自身の経験を通して痛感しています。
私が経験したクーラー病のつらい日々