だるい、頭が痛い、食欲がない。夏の不調が長引くと、「もしかしてクーラー病かな」と思いつつも、どの病院の何科を受診すればよいのか分からず、結局我慢してしまう人は多いのではないでしょうか。クーラー病は正式な病名ではないため、専門の診療科というものは存在しません。しかし、つらい症状を緩和したり、背後に別の病気が隠れていないかを確認したりするためにも、医療機関に相談することは非常に重要です。その場合、どの科を選ぶかは「最もつらい症状は何か」によって判断するのが基本となります。例えば、ズキズキとした頭痛やめまい、しびれなどが主な症状であれば、「内科」や「神経内科」が適しています。これらの症状は自律神経の乱れから来ることも多いですが、脳の病気など他の原因も考えられるため、一度専門医に診てもらうと安心です。肩こりや腰痛、関節の痛みがひどい場合は、「整形外科」が選択肢になります。血行不良による筋肉の緊張が原因であることが多いですが、骨や関節自体の問題がないかを確認してもらえます。下痢や便秘、胃の不快感、食欲不振といった消化器系の症状が強いなら、「消化器内科」を受診しましょう。自律神経は胃腸の働きをコントロールしているため、その乱れは直接的に消化器症状として現れます。女性の場合、クーラーによる冷えが生理不順や生理痛の悪化に繋がることもあります。こうした婦人科系の不調が気になる場合は、「婦人科」で相談するのが良いでしょう。もし、どの症状が一番つらいか自分でもよく分からない、あるいは全身にわたる漠然とした不調を感じる場合は、まず「総合診療科」やかかりつけの「内科」を受診することを強くお勧めします。総合診療科や内科医は、全身を総合的に診察し、症状の原因を探ってくれます。そして、必要に応じて最適な専門科へ紹介してくれる、いわば「医療の案内役」です。自己判断で悩む前に、まずは専門家に相談する一歩を踏み出しましょう。