多くの人が日常的に経験する足のむくみ。長時間の立ち仕事やデスクワーク、塩分の摂りすぎなどが原因の一時的なものであれば、一晩休むことで改善することも多いでしょう。しかし、中には放置してはいけない「病気のサイン」としてのむくみが存在します。では、どのようなむくみに注意が必要で、何科を受診すべきなのでしょうか。まず、チェックすべきポイントはいくつかあります。例えば、「片足だけが急にむくんで痛む、赤くなっている」「息切れや動悸、胸の痛みを伴う」「横になると息苦しい」「顔や手、全身がむくんでいる」「尿の量が減った、泡立ちが気になる」「むくんだ部分を押すと、指の跡がなかなか戻らない」といった症状です。これらのサインが見られる場合、速やかに医療機関を受診する必要があります。特に、片足だけの急なむくみと痛みは、「深部静脈血栓症」の典型的な症状であり、詰まった血栓が肺に飛ぶと命に関わる「肺塞栓症」を引き起こすため、救急受診も視野に入れるべきです。この場合は「循環器内科」や「血管外科」が専門です。息切れや横になると苦しいといった症状は、心臓の機能が低下する「心不全」が疑われ、この場合も「循環器内科」への受診が急がれます。顔や全身のむくみ、尿の異常は、腎臓の機能が低下している「腎不全」や「ネフローゼ症候群」の可能性があり、「腎臓内科」が専門となります。また、足の血管がこぶのように浮き出てむくみやだるさを伴う場合は「下肢静脈瘤」が考えられ、「血管外科」が主な診療科です。このように、むくみに伴う他の症状が、何科を受診すべきかの重要なヒントになります。もしどの科か迷う場合は、まずはかかりつけの「内科」で相談し、初期診断と適切な専門科への紹介をしてもらうのが最も確実な方法です。たかがむくみと侮らず、体のサインに耳を傾けましょう。
そのむくみ大丈夫?病気が隠れているサインとは